脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
脳神経減圧術の治療成績・結果の標準化法についての提案
近藤 明悳
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 19 巻 9 号 p. 691-695

詳細
抄録

脳神経減圧術(MVD)の手術成績にはいまだ施設間で差があり,またわれわれの努力不足でこの手術法についての一般の認識はいまだ高いとはいえない.この手術法は,三叉神経痛,顔面痙攣などに対する根本的な治療法であり,半永久的な効果が期待できるが,機能的手術である以上,症状の完全消失のみならず,合併症,再発を起こさないことが最終目的である.脳神経減圧術研究会では,世話人の先生方のご協力で,このMVDの治療効果を患者さんに正しく伝えて理解していただくために,その手術成績を標準化することにした.同時に神経内科,耳鼻科,眼科,歯科,口腔外科,またペインクリニックの先生方にもこれを十分に理解していただくことも目的である.手術結果は,症状の改善度に合併症の有無,程度を加味して判断し,両者をcombineして治療成績を判定するようにした.この治療成績の標準化法を基にして,まず代表的な施設の治療成績を集積検討してそのdataを共有し,その結果を広く多くの方々に認識していただくように努力していきたい.

著者関連情報
© 2010 日本脳神経外科コングレス
前の記事 次の記事
feedback
Top