脳神経外科ジャーナル
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血管内治療の現状と新展開(<特集>脳動脈瘤に対する新たな考え方)
松丸 祐司
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2012 年 21 巻 4 号 p. 306-313

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抄録

脳動脈瘤に対する血管内治療は,螺旋状の単純なbare platinum coilの留置からはじまり,ワイドネック型動脈瘤への適応や長期成績の向上のために,balloon neck remodeling techniqueの導入,複雑な形状のコイルやsurface modification coilの開発,ステント支援塞栓術が行われるようになった,破裂急性期動脈瘤に関しては,ISATにより血管内治療の優位性が証明され,大きく治療法が血管内治療へシフトしたが,未破裂脳動脈瘤に関しては良好な成績が報告されているが,いまだその有効性は証明されていない.新しい治療法として海外ではflow diverterが臨床使用され,従来の血管内治療では困難であった,巨大動脈瘤,部分血栓化動脈瘤,紡錘状動脈瘤が治療されている.従来の瘤内塞栓術に加え,flow diverterによりさらに脳動脈瘤に対する適応が拡大しつつある.

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© 2012 日本脳神経外科コングレス
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