脳神経外科ジャーナル
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症例報告
急性硬膜外血腫と帽状腱膜下血腫の合併例に対し中硬膜動脈塞栓術後の経皮的血腫吸引が有効であった1例
與那覇 博克饒波 正博笠井 直人高良 英一嘉手川 淳金城 則雄
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2013 年 22 巻 3 号 p. 216-220

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抄録

 中硬膜動脈損傷による急性硬膜外血腫と進行性に増大する帽状腱膜下血腫の合併例を経験した. 症例は16歳の男性でバイクの自損事故で受傷した. 入院時の頭蓋単純写と頭部CTでラムダ縫合の離解と帽状腱膜下血腫を認めた. 受傷翌日に施行したCTおよびMRIで, 帽状腱膜下血腫の急速な増大とラムダ縫合離解部での少量の硬膜外血腫との交通を認めた. 脳血管撮影ではラムダ縫合離解部に近接した中硬膜動脈からの持続性出血を認めた. 中硬膜動脈損傷による急性硬膜外血腫が, 縫合離解部を通り帽状腱膜下に流出したものと考えられた. 血管内手術で中硬膜動脈分枝を塞栓し, その後帽状腱膜下血腫の穿刺吸引および頭皮の圧迫固定を行い治癒させることができた. 急性硬膜外血腫と帽状腱膜下血腫の合併例に, 中硬膜動脈塞栓術後の経皮的血腫吸引は有効な治療法であった.

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© 2013 日本脳神経外科コングレス
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