2013 年 22 巻 5 号 p. 357-361
内視鏡下経鼻頭蓋底手術では, 標的とする病変の拡がりに応じ, 鼻副鼻腔の処理を行い, 適切な術野を確保する. Mid-lineアプローチでは, 中鼻甲介を温存しても, 十分な術野を得ることができる. 内頚動脈隆起や視神経管周辺での手術操作が必要な場合, 経中鼻道的にも蝶形骨洞の操作が行えるよう, 篩骨洞開放が必要となる. 最後部篩骨洞のバリエーションであるOnodi cellに注意が必要である. 蝶形骨洞外側にアプローチする場合, 上顎洞後壁削除が必要となる. Vidian神経管と上顎神経管が有用な目印になる. また, 頭蓋底再建においては, 嗅上皮と蝶口蓋動脈鼻中隔枝の位置を考慮した有茎鼻中隔粘膜弁を作製する.