脳神経外科ジャーナル
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症例報告
感染性硬膜下血腫の1例
佐瀬 泰玄小野寺 英孝内田 将司水庭 宣隆小菅 康史高砂 浩史伊藤 英道平本 準大塩 恒太郎田中 雄一郎
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2015 年 24 巻 4 号 p. 246-251

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抄録

 症例は, 無症候のため半年間経過観察された慢性硬膜下血腫 (chronic subdural hematoma : CSDH) の81歳男性. ADL低下と発熱を主訴に来院した. 入院し熱源精査中の5日目に左片麻痺をきたし, 既存血腫に対し穿頭術を施行した. 血液の混じった膿汁が排液され, 感染性硬膜下血腫 (infected subdural hematoma : ISH) と診断した. その後再発し, 穿頭術を2回施行した. 抗菌薬で炎症反応も軽快し, 病変は画像上器質化したと判断された. 発熱と炎症反応を伴うCSDHはISHの可能性があり注意が必要である. 診断および治療に苦慮した経過の詳細を記載し, 過去の報告例を分析した.

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© 2015 日本脳神経外科コングレス
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