2015 年 24 巻 5 号 p. 280-291
頚椎固定術には前方法と後方法がある. 固定術の絶対適応は, 頚椎に不安定性があることである. 相対適応としては, 椎間操作に伴う医原性不安定症のための固定, 高度の変形を伴った症例での矯正固定, 減圧効果を高めるための矯正固定, 頚椎後縦靱帯骨化症での病態の進行を抑制するための固定などがある. 固定の方法は種々報告されているが, それぞれの手技においてのピットフォールやリスクを常に意識しておく必要がある. 現在の代表的な手術方法として, 前方では前方除圧固定術 (ACDF) があり, 後方ではpedicle screw, lateral mass screwとrodを組み合わせた固定術などがある. これらの手術の実際と起こり得る合併症について論じた.