脳神経外科ジャーナル
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特集 小児脳神経外科の最新知見
髄芽腫の分子遺伝学的診断とその標準化
金村 米博市村 幸一正札 智子山崎 麻美渋井 壮一郎新井 一西川 亮
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2015 年 24 巻 7 号 p. 436-444

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抄録

 近年, 髄芽腫の分子遺伝学的診断および国際コンセンサス4分子亜群分類 (WNT, SHH, Group 3, Group 4) は, 腫瘍特性解析, 腫瘍分類, 臨床的リスク評価, 新規治療法開発に大きなブレークスルーを引き起こしている. 国内では, 日本小児分子脳腫瘍グループ (JPMNG) が組織され, 全国から試料を収集し, 国際的コンセンサスに基づく小児脳腫瘍の遺伝子診断実施体制の構築が開始されている. 髄芽腫の分子遺伝学的診断は, 今後の診療および研究において, 重要かつ不可欠な手法になると思われ, 本邦のJPMNG研究は, 現在いまだに完治が困難な髄芽腫の診療水準のさらなる向上と予後改善に大きく貢献し得ると考える.

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© 2015 日本脳神経外科コングレス
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