2016 年 25 巻 1 号 p. 52-58
出血発症もやもや病の自然予後は不良であり, 再出血率は年間約7%と非常に高い. 「頭蓋内外バイパス術が出血発症成人もやもや病の再出血リスクを減少させる」という仮説を検証する目的で, 多施設無作為比較試験であるJapan Adult Moyamoya Trial (JAM Trial) が行われ, 手術群で有意にエンドポイント発生率が低く, 再出血率が1/3に低下することが示された. JAM Trialの結果は出血発症もやもや病に対する直接バイパス術の有効性を支持する一方, この結果は厳格な患者登録基準のもと, 高度の周術期管理下に達成されたものであり, 臨床上は慎重な手術適応の検討が望まれる.