脳神経外科ジャーナル
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症例報告
術前診断が困難であったmicrocystic meningiomaの1例
澤田 佳奈玉置 正史橋本 秀子唐鎌 淳佐藤 洋平原 睦也戸根 修
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2016 年 25 巻 1 号 p. 62-68

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抄録

 症例は65歳女性で歩行障害と認知機能障害を主訴に来院した. 単純MRIで右前頭側頭葉に腫瘍性病変を認め, 造影MRIでは, わずかに腫瘍辺縁と内部が隔壁状に造影されるのみであり, 髄膜腫に典型的な所見ではなく, また髄膜種に特徴的なdural tail signなどもみられなかった. 開頭腫瘍摘出術を施行しmicrocystic meningiomaと診断した. Microcystic meningiomaの中にはその画像所見が一般的な髄膜腫の画像所見と異なるものがあり, 術前に髄膜腫と診断できないことも多い. 本症例にみられる特徴的な造影MRI所見であるfaint reticular patternがmicrocystic meningioma術前診断の鍵となることがあり, 認知しておくべきものと考える.

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© 2016 日本脳神経外科コングレス
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