脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
特集 神経外傷・救急
頭部外傷集中治療の実態
末廣 栄一小泉 博靖井上 貴雄藤山 雄一篠山 瑞也出口 誠米田 浩石原 秀行野村 貞宏鈴木 倫保
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2016 年 25 巻 3 号 p. 214-219

詳細
抄録
 重症頭部外傷の集中治療において頭蓋内圧モニターの使用頻度は年々減少している. しかし, 若年者や脳腫脹の強い症例には積極的に使用されている. 経過中の頭蓋内圧の最高値が, 20mmHg以下であれば転帰良好率は有意に高く, 40mmHgを超えると死亡率が有意に上昇していた. 一般的には脳室カテーテルからの頭蓋内圧測定が推奨されているが, 日本では脳実質内での測定が多い. 頭蓋内圧亢進時には, 薬物治療から減圧開頭術までさまざまな治療法がある. 頭蓋内圧モニターを施行している患者群では, このような治療が積極的に行われており, 死亡率は有意に減少しているが, 転帰良好率の改善には至っていない. 今後, 脳神経外科医や神経集中治療医によるチーム医療が治療成績改善に寄与すると期待する.
著者関連情報
© 2016 日本脳神経外科コングレス

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
次の記事
feedback
Top