脳神経外科ジャーナル
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特集 脊椎・脊髄
脊髄髄内腫瘍手術における神経生理学的モニタリングの有用性と限界
黒川 龍金 彪川本 俊樹新郷 哲郎糸岐 一茂米澤 元樹
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ジャーナル オープンアクセス

2017 年 26 巻 5 号 p. 341-345

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抄録

 脊髄髄内腫瘍の手術において, 術後の神経症状悪化を防ぐ目的で神経生理学的モニタリングが通常行われている. 特に, 運動誘発電位 (MEP) モニタリングは運動機能低下を検出する感度が100%という報告もあり, 広く実施されている.

 当院において2008~2011年に髄内腫瘍の手術を行った58人62件の手術において, 術中MEPと術前後の筋力の変化について検討した. MEPモニタリングは手術59件, 208個の筋で記録が行われた. MEPによる術後筋力低下を予測する感度は0.65, 特異度は0.83だった.

 髄内腫瘍の手術においてはMEPによる運動予後の予測が完全ではないことを考慮する必要がある.

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© 2017 日本脳神経外科コングレス

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