脳神経外科ジャーナル
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原著
ゴアテックス®人工硬膜感染症の治療方針
吉岡 伸高富永 紳介
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ジャーナル オープンアクセス

2019 年 28 巻 1 号 p. 19-25

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抄録

 ゴアテックス®人工硬膜感染症27例について検討した. 10例 (37%) で硬膜外のみならず硬膜下膿瘍を合併し, 遅発性感染症例も含まれていた. 治療は, ゴアテックス®人工硬膜を除去し, 初期の3例を除き一期的硬膜再建は行わなかった. 二期的頭蓋形成術は24例で行い, 脳表上の剝離による髄液漏が危惧された場合には, 帽状腱膜下の剝離によって脳表に骨膜を温存する術式を6例に用いた. 最長13年の経過で合併症はなかった. 脳表に被膜形成がほとんどない場合の対策として, 骨膜を温存する頭蓋形成術以外に, 頭皮欠損が大きい場合には血管柄付き遊離組織移植による頭皮硬膜再建も選択肢となり得る.

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© 2019 日本脳神経外科コングレス

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