2019 年 28 巻 7 号 p. 398-406
海綿静脈洞部腫瘍に対する治療としては定位放射線治療の役割が大きい. しかし放射線照射後の再発や症候性腫瘍ではときに外科的切除が必要になることがある. 海綿静脈洞部髄膜腫, 軟骨肉腫の2つの疾患について解剖学的特徴を踏まえた腫瘍切除について解説した. 髄膜腫については後方から腫瘍に到達する最小合併経錐体到達法が有用であった. また内側海綿静脈洞部髄膜腫, 海綿静脈洞部軟骨肉腫は経鼻内視鏡手術での摘出が有用であった. 手術適応をよく検討すれば, 動眼, 滑車, 外転神経機能を温存して腫瘍減圧ができることを説明した.