脳神経外科ジャーナル
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非動脈瘤性中脳周辺クモ膜下出血 : CT, MRI, 脳血管造影による出血源の検索
唐澤 秀治内藤 博道杉山 健上野 淳司金 弘
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1994 年 3 巻 6 号 p. 488-493

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抄録
原因不明の中脳周辺のクモ膜下出血の病態は,まだ解明されていない.出血源は出血が最も多い部位または最後まで出血が残存する部分である可能性が高く,自験例11例の経時的CTと亜急性期のMRIおよび脳血管造影の所見を検討した.CT上の出血最強部位と出血残存部位で最も高頻度だったのは,脚間槽であった.MRI上の出血残存部位は,脚間槽または橋前槽であった.脳血管造影では脳底動脈のupper trunkに血管攣縮を高頻度に認めた.出血源は脚間槽または橋前槽に存在する血管病変であろうと推測され,特に脳底動脈またはこの分枝からの出血の可能性が高い.本疾患の原因に関しては,今回の検討でも明確にすることができなかった.
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© 1994 日本脳神経外科コングレス

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