脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
症例報告
鎖骨上部の皮下組織の石灰化によりカテーテルが屈曲しシャント機能不全となった若年男性の1例
家護谷 泰仁木谷 尚哉五月女 悠太松田 勇輝佐藤 悠村岡 賢一郎廣常 信之西野 繁樹
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2022 年 31 巻 12 号 p. 780-785

詳細
抄録

 生後1カ月時に脳室腹腔シャント歴のある19歳の男性が頭痛と嘔吐を主訴に受診した. 頭部CTで水頭症の悪化を認め, バルブ圧の変更ができなかったためシャント機能不全を疑い, バルブおよび脳室側カテーテルのみの再建術を行ったが, 症状は改善しなかった. シャント造影検査を行うと鎖骨上でカテーテルがΩ状に屈曲していた. 再手術にて屈曲したカテーテル周囲の石灰化組織を除去し, カテーテルを直線化することで症状は改善した.

 カテーテルから遊離した成分により皮下組織の炎症が惹起されると, 周囲の皮下組織に石灰化が進行することがある. 本症例は腹腔側カテーテルの交換は行わず, 周囲組織の除去のみで良好な結果が得られた.

著者関連情報
© 2022 日本脳神経外科コングレス

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top