2024 年 33 巻 3 号 p. 188-194
髄芽腫は早くから分子分類が行われてきた疾患であるが, その分類法については議論も存在する. WHO分類では, TP53変異の有無に基づきSHH髄芽腫を2つに分類している. Germline TP53変異を有する症例は予後が不良であるが, somatic TP53変異についてはさらなる検証を必要とする. Group3とGroup4は最近の研究により, 同じ系統の分化段階の異なる起源細胞から発生していることがわかってきた. 髄芽腫をより詳細に分類しようとsubtype分類が提唱されているが, その有用性は引き続き検証されるべきである. 各分類の根拠と意義を理解して活用していく必要がある.