脳神経外科ジャーナル
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手術手技・周術期管理
同側の外頚動脈をinterposition graftとした内頚動脈再建を併用して摘出した頚動脈小体腫瘍の1例
木村 和人吉田 研二小林 正和千田 光平片桐 克則志賀 清人小笠原 邦昭
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2024 年 33 巻 3 号 p. 214-218

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抄録

 頚動脈小体腫瘍は頚動脈を取り囲むように発育し, 頚動脈合併切除と内頚動脈の血行再建を要することがある. 症例は両側の頚動脈小体腫瘍をもつ18歳の女性で, より大きい右側を摘出する方針とした. 腫瘍は頚動脈分岐部を取り囲んでおり癒着が高度であった. そこで外頚動脈をinterposition graftとして採取後, 腫瘍を跨ぐように内頚動脈中枢側および総頚動脈末梢側を吻合した. その後総頚動脈分岐部ごと腫瘍を摘出し, interposition graftを介して内頚動脈血流再開を行った. 頚動脈合併切除を要する頚動脈小体腫瘍摘出時の内頚動脈の血行再建では, 外頚動脈をinterposition graftとして用いることは選択肢の1つになり得る.

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© 2024 日本脳神経外科コングレス

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