脳神経外科ジャーナル
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脳神経外科診療とIT
効率的な人的資源の活用を目指したtele-SCUシステム実証実験
内野 晴登長内 俊也下田 祐介齋藤 久泰飛驒 一利藤村 幹
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2024 年 33 巻 8 号 p. 563-566

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抄録

 本邦では, stroke care unit (SCU) が広く普及しており, 急性期脳卒中治療の基盤となっている. 一方, 2024年から医師の時間外労働時間に上限が設定され, 人的要員に関するSCU施設基準を満たせない施設が出る可能性がある. われわれは遠隔医師が, 人員の限られた施設を補助するtele-SCUシステムを考案し, その実現可能性について実証研究を行っている. 本システムでは, 医療画像の共有, 遠隔操作可能な天井ネットワークカメラによる患者映像のストリーミング, 遠隔医師と現地SCUスタッフもしくは患者のビデオ通話などを可能とした. 映像解像度, 音声の質, 映像・音声遅延, ネットワークカメラの操作性は遠隔で神経診察を行ううえで支障がないことを確認できた. Tele-SCUは, 急性期脳卒中治療において医療の質を担保しつつ, 医師の効率的な働き方に寄与する可能性がある.

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© 2024 日本脳神経外科コングレス

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