脳神経外科ジャーナル
Online ISSN : 2187-3100
Print ISSN : 0917-950X
ISSN-L : 0917-950X
悪性神経膠腫に対する養子免疫療法の臨床成績と問題点
宮城 航一六川 二郎仲宗根 進銘苅 晋古閑 比佐志比嘉 靖石川 泰成高良 英一堀川 恭偉
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

1995 年 4 巻 1 号 p. 30-40

詳細
抄録
悪性神経膠腫症例にautologous stimulated lymphocyte (ASL)を用いた局所養子免疫療法を行った.本療法の問題点を明らかにする目的で,(1)ASLの腫瘍細胞障害性,(2)(1)に対する悪性神経膠腫細胞培養上清(GCS)の影響,(3)本療法前の腫瘍の進展形式,(4)本療法後の病理組織像を検討した.結果:(1)ASLの腫瘍細胞障害性はGCSの影響をほとんど受けない.(2) ASL注入局所では腫瘍摘出腔に面した腫瘍の壊死像を認めた.(3)ASLによる反応は注入局所以外の腫瘍部分ではみられず,本療法は局所型症例に適応を限定すべきである.(4)ASLの反復注入は腫瘍摘出腔に変性リンパ球の蓄積や反応性結合組織層を生じ,脳膿瘍に類似の病理所見を呈した.
著者関連情報
© 1995 日本脳神経外科コングレス

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top