脳神経外科ジャーナル
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脳動脈瘤重症例の治療方針と outcome(<特集>Overall outcome よりみた脳動脈瘤治療の問題点[1])
安井 信之
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1995 年 4 巻 3 号 p. 225-231

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抄録
1981〜1993年の間に入院加療を行った破裂脳動脈瘤患者は前期の1981〜1986年では425例,後期の1987〜1993年では352例であった.前期では425例中143例,後期では352例中119例がWFNS重症度分類grade IV・Vの重症例であり,それらを対象としてoverallにみた重症例の治療の現況と問題点についてまとめた.治療成績の検討の結果,grade IVでは手術手技の向上や脳血管攣縮や全身合併症に対する予防・治療の進歩により成績全体を向上させる可能性があるが,grade Vでは発作目体の脳損傷が高度であり,改善には限度があった.早期の手術が転帰の改善には必要だが,回復可能な症例をいかに選択するのかが今後残された課題である.
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© 1995 日本脳神経外科コングレス

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