脳神経外科ジャーナル
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未破裂脳動脈瘤術後に問題を生じた症例の検討
安井 敏裕坂本 博昭岸 廣成小宮山 雅樹岩井 謙育山中 一浩西川 節矢倉 久嗣夫 由彦永田 安徳田村 克彦
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1995 年 4 巻 4 号 p. 383-388

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抄録

過去8年8カ目の間に50例(巨大脳動脈瘤は除く)の未破裂脳動脈瘤を経験した.破裂脳動脈瘤症例に合併したものが35例,偶然発見例が15例であった.41例(80%)に手術を行った.41例中,38例でネッククリッピング,2例でコーティング,1例で近位側閉塞を行った.これら手術例41例中5例で問題が生じた.すなわち,手術方法そのものに関わるもの3例(術後の破裂2例,術後の脳幹虚血1例)と,術前後の管理不備によるもの2例(術後の痙攣重積1例,術後の呼吸不全1例)であった.未破裂脳動脈瘤の手術は極力安全に行う必要がある.そのためには,十分な術前後の管理および確実な手術方法の検討が必要である.

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© 1995 日本脳神経外科コングレス
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