脳神経外科ジャーナル
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上眼窩裂内より発生した海綿状血管腫の1例
相原 英夫玉木 紀彦長嶋 達也森下 暁二西田 吉充朝田 雅博
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1997 年 6 巻 1 号 p. 54-58

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抄録
われわれは上眼窩裂内硬膜より発生し,視力・視野障害で発症した海綿状血管腫の1例を経験した.症例は48歳,女性.神経症状は右視力底下,右眼右上四半盲,右視神経乳頭軽度委縮であり,CT,MRIにて右上眼窩裂に造影効果をもつ腫瘍像を認め,周囲の骨を融解して視神経管内に及び,視神経を圧排していた.関頭術にて腫瘍を全摘出し,視力視野障害は改善した.腫瘍は赤褐色,易出血性で比較的硬く,硬膜と強く癒着していた.病理組織学的には海綿状血管腫であった.海綿状血管腫は過誤腫であり,頭蓋内においてもあらゆる部位に発生すると考えられるが,本症例は上眼窩裂内に限局して存在しており,過去に類似症例は認めなかった.
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© 1997 日本脳神経外科コングレス

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