1997 年 6 巻 3 号 p. 200-204
再発のために過去3度の手術を行い,今回多発性となって再発した髄膜腫の1例を報告した.腫瘍は両側性であったが,一期的に摘出術(Simpson grade I)を行った.3つの腫瘍内のestrogen receptor (ER)とprogesterone receptor(PR)とをenzymeimmunoassayによって測定した.ERは最も小さい腫瘍においてのみ陽性を示し,PRは3つの腫瘍すべてに陽性を示したが,その濃度は腫瘍の大きさに反比例していた.今後再発時のホルモン療法の可能性について検討した.