脳神経外科ジャーナル
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脳動静脈奇形における dynamic SPECT および三次元SPECT 画像に関する研究 : ^<123>I-IMP, ^<99m>Tc-HMPAO の比較
狩野 利之
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1997 年 6 巻 8 号 p. 520-529

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抄録

^<123>I-IMP(IMP)のdynamic single photon emission computed tomography (dynamic SPECT)画像では1cm以上の脳動静脈奇形(AVM)はRI陽性像として描出されるが,^<99m>Tc-HMPAO(HMPAO)のdynamic SPECT画像では1cm未満の症例においてもRI陽性像として描出される.各種による比較ではstatic rateはHMPAOの方が高値を示し,低灌流域の程度が低いが,dynamic rateはHMPAOの方が高値を示すため,鮮明にAVMを捉えることができた.さらに,Application Visualization System (AVS)を用いた三次元SPECT画像により治療前後の変化を視覚的に把握できた.治療に伴うnidus縮小の評価にはnidus全体を一塊の陽性像として捉えるHMPAOのdynamic SPECTが有効である.しかし,AVM nidus内の部分的血流差の評価などを行うためには,IMPのdynamic SPECTの陽性範囲とstatic SPECTのRI欠損範囲との差を検討することが有効である.

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© 1997 日本脳神経外科コングレス
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