脳神経外科ジャーナル
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前大脳動脈解離性動脈瘤の1手術例
本田 直美弓削 龍雄宮城 潤重森 稔
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1997 年 6 巻 9 号 p. 634-638

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抄録

症例は48歳の女性.左前大脳動脈領域の脳梗塞による右半身麻痺をきたし,保存的治療を受けた.その約1カ月後に,今度はくも腹下出血をきたし,当科に搬送された.脳血管撮影では左前大脳動脈A1部の限局的狭窄と,これに続くA1-A2移行部に紡錘状の血管拡張とblebを認めた.解離性脳動脈瘤と診断し,開頭術を行った.手術は,出血点であるA1-A2部の嚢状に突出した部位を親動脈を形成するようにclippingした.術後の血管撮影ではaneurysmal dilatationの所見は消失し,前大脳動脈の血流は十分に保たれていた.clipping術は,解離性脳動脈瘤に対する有用な治療法の一つであると思われた.

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© 1997 日本脳神経外科コングレス
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