脳神経外科ジャーナル
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頭蓋内原発悪性リンパ腫に併発した多発性筋炎の1例
朝本 俊司松本 清泉山 仁神保 洋之川俣 光岩田 隆信土屋 浩平林 久吾
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1997 年 6 巻 9 号 p. 644-648

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抄録

頭蓋内原発悪性リンパ腫に併発した多発性筋炎の1例を経験した.症例は70歳の男性.主訴は頭痛,めまい,視力障害.CT,MRIにて第4脳室周囲に腫瘍を認め,悪性リンパ腫を疑いステロイド療法を施行し,腫瘍および頭痛,めまい,視力障害は消失した.しかし,初回入院より約22カ月後,顔面を含む右片麻痺が出現し,CTにて左側脳室近傍に腫瘍の形成を認めたため,生検を行ったところB-cellタイプの悪性リンパ腫であった.また,初回発症時より約23カ月後,四肢の筋力低下と筋痛を訴え始め,血中の筋酵素類の上昇も認めたため,筋生検を行ったところ多発性筋炎の所見であった.われわれの渉猟し得た範囲内では,頭蓋内原発悪性リンパ腫に併発した多発性筋炎の報告はなく,稀な症例と思われ,ここに呈示した.

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© 1997 日本脳神経外科コングレス
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