脳神経外科ジャーナル
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重症くも膜下出血急性期の病態と治療
佐藤 章
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1998 年 7 巻 1 号 p. 24-31

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抄録

脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血重症例につき, 自験1, 176例を中心に, その急性期病態と治療方針を概説した.急性期治療では, global cerebralischemia, 脳出血, 脳室内出血, 水頭症などによるprimary brain damageと, 交感神経緊張による呼吸・循環系を中心とした全身性反応の, 両者の総合的評価をもとにした治療方針の決定が必要である.頭蓋内病変については, 経時的な神経学的および画像診断の評価が重要である.交感神経性反応の状態は, stress index(SI=血糖値(mg/dl)/血清カリウム値(mEq/l)によりある程度評価可能である.最重症例の急性期手術適応は, 原則としてGCS6点以上であるが, 5点以下でも比較的予後良好例もあるので, 症例ごとのていねいな適応決定が必要である.

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© 1998 日本脳神経外科コングレス
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