脳神経外科ジャーナル
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脳保護のための術中低体温療法
平山 晃康片山 容一
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1998 年 7 巻 3 号 p. 163-169

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抄録

近年, 軽度低体温(35〜30℃)の脳保護効果が注目されてきている.われわれは, 1994年からマイクロサージャーリー中の脳圧排による脳損傷や, 動脈の一時遮断によって生じる虚血性脳損傷に対する予防的な脳保護としての術中軽度低体温療法を78症例(脳動脈瘤直達手術55例, 頸動脈内膜切除術10例, 脳動静脈奇形摘出術10例, 浅側頭動脈-中大脳動脈吻合術3例)に施行した.その結果, 術中の軽度低体温療法は大きな副作用もなく実施でき, 脳血管疾患に対するマイクロサージャリー中の脳保護に役だつ可能性をもっていると思われた.

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© 1998 日本脳神経外科コングレス
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