脳神経外科ジャーナル
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MRAにてモヤモヤ病疑診例への移行を認め予防的血行再建術を行った1成人例
河合 辰典河野 兼久大上 史朗麓 憲行大田 信介榊 三郎中川 孝
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1998 年 7 巻 5 号 p. 304-309

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抄録
片側性のモヤモヤ病疑診例から両側性の確診例への移行は成人例では比較的稀であるとされ, これまでの報告は健常側の病変の進行によりなんらかの神経症状を呈してから診断されている.今回われわれは, 患側に対する血行再建術後5年目に, なんら神経症状を呈さない状態で, MRAにて健側に病変の進展を発見した.脳血管撮影で鈴木の分類III期に相当する所見を示し, 脳血流検査で盗血現象を認めたことから直接的血管吻合術を行い, 良好な側副血行路の発達と, モヤモヤ血管の縮小を認めた.術後2年経過した現在, 特に新たな症状の発現は認めていない.
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© 1998 日本脳神経外科コングレス

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