脳神経外科ジャーナル
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脳腫瘍と鑑別が困難であった脱髄性疾患の1例
森高 一彦白水 徹倉本 晃一落合 智重森 稔杉田 保雄
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1998 年 7 巻 8 号 p. 497-501

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抄録
臨床経過および神経放射線学的に脳腫瘍類似の所見を示した急性脱髄性疾患を報告した.症例は左側同名側半盲にて発症した22歳の女性である.本症例はCTおよびMRI上, 孤立性病巣で, しかも強い占拠性効果が認められた.このため脳実質性腫瘍, 特に悪性のgliomaを疑い摘出術を行った.しかし, 病理組織学的には腫瘍組織は認められず, 急性脱髄性疾患と診断した.急性脱髄性疾患が占拠性効果をもつことは稀であるが, 脳実質性腫瘍の鑑別疾患として留意すべきであると考えられた.
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© 1998 日本脳神経外科コングレス

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