脳神経外科ジャーナル
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第4脳室内出血を呈した末梢性後下小脳動脈瘤の2例
金 景成粟屋 栄星野 茂水成 隆之小林 士郎池田 幸穂寺本 明
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1999 年 8 巻 9 号 p. 611-616

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抄録

今回われわれは, 脳室内出血を主に発症した破裂末梢性後下小脳動脈瘤の2例を経験したので報告する.症例1では脳血管撮影上左PICAのtelovelo-tonsillar segmentの動脈瘤が第4脳室天井を破り脳室内に向け出血を呈している像がみられ, CT上明らかなクモ膜下出血を呈さず, 第4脳室に強い脳室内出血にて発症した.また, 症例2では左PICAのtonsillo-medullary segmentに動脈瘤を認め, CT上クモ膜下出血に伴う脳室内出血にて発症した.末梢性後下小脳動脈瘤は, 破裂時第4脳室を主に脳室内出血を呈する場合が多い(頻度69〜92%).Listerらの分類に従い, 自験例に過去の報告を加えた88例について検討したところ, 末梢性後下小脳動脈瘤が破裂時脳室内出血を呈する頻度は部位により異なり, その予後は脳室内出血単独では必ずしも左右されず, 水頭症が合併した場合悪くなる傾向を認めた.

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© 1999 日本脳神経外科コングレス
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