2016 年 41 巻 2 号 p. 83-89
背景:肩こりを主訴に整形外科外来を訪れる人は多いが,身体的特徴を健常人と比較した報告はない.
方法:124人(男性46,女性78)の肩こり群と90人(男性15,女性75)の健常群の頚部の伸展筋力,屈曲筋力とそれらの比(以下屈伸比),背筋力,頚部周囲径,体重,握力を比較した.さらに,肩こり群で頚椎のX線撮影を行い,中間位から前屈10°以上の後弯変形を呈するものと後弯変形を呈さないものの2群に分けて,身体的特徴を比較した.
結果:女性の肩こり群では,女性の健常群と比較して,平均年齢が低かったにもかかわらず,背筋力が減弱していた.男性の肩こり群と男性の健常群の間には,身体的特徴の有意な差はなかった.肩こり群の頚椎X線像での後弯変形には,男女とも年齢のみが関与し,骨格の柔軟性を示すものであった.男性の肩こり群と女性のそれとの比較では,年齢と屈伸比に有意な差がなかった以外は,男女の身体能力に有意な差があった.
考察:筋力の減弱を伴う肩こり患者は,肩甲帯のストレッチに加え,背筋力の強化,頚部筋力の屈伸比を正常化する必要がある.
結論:頚部の屈伸比は,頭部の支持と姿勢維持の機能評価に役立つ.