日本臨床整形外科学会雑誌
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骨粗鬆症性椎体骨折における遷延治癒発生の危険因子の検討
磯貝 宜広石川 徹也中島 大輔篠崎 義雄小川 潤
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2022 年 47 巻 1 号 p. 9-14

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抄録

[背景と目的]骨粗鬆症性椎体骨折の,治療成績に影響を与える遷延治癒化の予測因子に関しては,一定の見解がない.今回我々は,受傷後2週以内の,早期Magnetic resonance imaging(MRI)所見の有用性について検討をおこなった.

[方法]当院にて,受傷後2週以内にMRIを撮影した,骨粗鬆症性椎体骨折76症例を対象とした.全例,硬性コルセットにて保存治療し,3ヵ月後の単純X線側面像にて,遷延治癒の有無を評価した.骨癒合群(65例),遷延治癒群(11例)の二群に分け,両群を比較検討した.

[結果]MRI椎体内信号変化は,遷延治癒群でT2強調矢状断像高信号限局型が有意に多かった.遷延治癒群では,年齢が有意に高く,既存椎体骨折は有意に多かった.ロジスティック回帰分析では,MRI椎体内信号変化のみが有意な因子であった.

[結論]受傷早期MRI椎体内信号変化は,遷延治癒のリスク因子として診断的価値が高い.

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