コーチング学研究
Online ISSN : 2434-0510
Print ISSN : 2185-1646
原著論文
バスケットボール競技における長身者のフィールドゴールでの有利性
中嶽 誠木藤 友規
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2017 年 31 巻 1 号 p. 81-88

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抄録

    本研究は,バスケットボール競技の得点場面における長身者の有利性の有無を検証した.関東大学バスケットボール連盟リーグ戦(2013年度)の公式記録(全選手317名)をもとに,フリースロー(FT),2ポイントフィールドゴール(2FG) 及び3ポイントフィールドゴール(3FG)のそれぞれで,身長とショット成功確率(SSR)の相関関係を調べた.その結果,2FGにおいてのみ,身長が高いほどSSRが高かった.本研究では,さらに,対戦相手の妨害を受けないFTに着目し,36名のバスケットボール熟練者で,バスケットまでの距離が異なる条件下において身長とSSRの相関関係を調べた.しかし,2FGエリアから3FGエリアに至る5段階(1.0mから7.0mまで)のいずれの距離においても,長身者のショット成功確率が高いことを示す相関関係は確認されなかった.これらの結果は,バスケットに近い(2FG)エリア内で,且つ対戦相手との競い合いの中で放つショット場面においてこそ,長身者の強い有利性が発揮されることを示唆する.

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© 2017 日本コーチング学会
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