認知心理学研究
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意識的な概念処理が美的評価に及ぼす影響
森田 磨里絵田中 章浩
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14 巻 (2016) 1 号 p. 9-19

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抄録

人はどのようなものを見ると美しさや好ましさを感じるのだろうか.先行研究では,刺激に接触することにより自動的かつ無意識的に行われる概念情報の処理過程が,美的評価に影響することが示されている.しかし,再認の二重過程モデルに見られるように,概念情報の処理過程には,自動的で無意識的なレベルと,非自動的で意識的に行われるレベルの二つが存在する.そこで本研究では,Remember/Know手続きを用いて,意識的な概念情報の処理過程と無意識的な概念情報の処理過程が美的評価に及ぼす影響について検討した.意識的な概念処理過程である回想を反映するRemember判断と,無意識的な概念処理過程である熟知性を反映するKnow判断を比較することで,二つの概念処理過程が美的評価に及ぼす相対的な影響の大きさについても検討した.実験では,複数枚の画像を学習させた後,再認課題としてRemember/Know判断と美的評価を行わせた.その結果,Remember判断された画像のほうがKnow判断された画像よりも美的評価が有意に高くなり,意識的な概念情報の処理が美的評価をより高める可能性が示された.

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© 2016 日本認知心理学会
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