認知心理学研究
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特別寄稿
日本語における色字共感覚研究
浅野 倫子 横澤 一彦
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2025 年 23 巻 1 号 p. 77-83

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抄録

色字共感覚とは,文字を見た際に,一般的な文字の認知処理に加えて,特定の色(共感覚色)の感覚経験も引き起こされる現象(認知特性)であり,一般人口のうちの少数の人のみに生じる.本稿では,2023年度日本認知心理学会独創賞の受賞に際し,著者らがこれまでに行ってきた日本語の色字共感覚研究を振り返って紹介する.学術的意義に関しては,特に,多種かつ多数の文字を日常的に使用する日本語の特性を生かした研究により,文字と共感覚色の対応関係の規定因を明らかにした点に独創性があると考える.また,共感覚は少数派の認知特性であることから,その研究成果の発信には社会的意義を伴うことについても考える.

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© 2025 日本認知心理学会
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