日本大腸肛門病学会雑誌
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症例報告
直腸周囲膿瘍を呈し,治療に難渋した杙創性直腸穿孔の1手術例
指山 浩志辻仲 康伸浜畑 幸弘松尾 恵五堤 修中島 康雄高瀬 康雄赤木 一成新井 健広星野 敏彦南 有紀子角田 祥之北山 大祐
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2010 年 63 巻 7 号 p. 440-443

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抄録
症例は53歳の男性.工事現場のコンクリートから突出した鉄筋の上に座り受傷した.その後肛門痛があったが軽度であったため3週間放置し,症状悪化後近医を受診,外傷性直腸損傷による直腸周囲膿瘍の診断にて当院紹介入院となった.入院時は肛門痛著明で歩行困難であり,脱水状態であった.直腸指診では直腸後壁側に半周性の直腸壁欠損があり,外傷性直腸穿孔の診断で,双口式人工肛門を造設し,直腸周囲膿瘍のドレナージ術を施行した.未治療の糖尿病があり,膿瘍の改善が不良で治療に難渋したが,直腸穿孔部が閉鎖していることを確認の上,術後7カ月後人工肛門を閉鎖した.杙創性直腸穿孔は通常受傷後直ちに治療される場合が多いが,経肛門的な直腸損傷の場合,症状が乏しい場合があり,本症例のように受診が遅れることがある.受診の遅延は治療の難渋につながり,合併症の頻度を高めるため,早期の診断,治療が予後の改善には重要である.
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© 2010 日本大腸肛門病学会

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