2011 年 64 巻 6 号 p. 423-426
直腸の良性リンパ性ポリープは病理組織学的に扁桃組織に類似していることよりrectal tonsilと呼ばれ,悪性リンパ腫,カルチノイドとの鑑別が問題となる.
我々は7歳児の直腸に発生したrectal tonsilを経験した.切除生検により診断を行い,腫瘍が肛門から脱出する不快感を改善した.
Rectal tonsilは本邦では比較的希な疾患で,小児期での報告は本症例をあわせ3例のみであり,本症例は本邦で最年少の報告である.若干の文献的考察を交え報告する.