日本大腸肛門病学会雑誌
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原著
大腸癌手術の化学的腸管処置におけるカナマイシンおよびメトロニダゾール併用投与の有用性
一万田 充洋衛藤 剛中嶋 健太郎平塚 孝宏赤木 智徳柴田 智隆上田 貴威白下 英史猪股 雅史
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2017 年 70 巻 4 号 p. 214-221

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抄録
目的:大腸癌手術の化学的腸管処置におけるカナマイシン(KM)+メトロニダゾール(MNZ)併用投与の有用性をSSIサーベイランスデータに基づき明らかにする.
対象と方法:2010年1月から2015年12月までに行った大腸癌手術344例を術前の化学的腸管処置の方法により3群(抗生剤なし群178例,KM単独投与群87例,KM+MNZ併用投与群79例)に分けて創部SSI発生率を検討した.また,創部SSI発生と各リスク因子の関連について単変量および多変量解析を行った.
結果:KM+MNZ併用投与群における創部SSI発生率は他の2群と比較して有意に低値であった(ともにP<0.05).創部SSI発生のリスク因子は男性(P=0.035),KM+MNZ併用投与群以外(P=0.011)であった.
結語:大腸癌手術の化学的腸管処置における術前KM+MNZ併用投与は創部SSIの発生率低下に有用と考えられた.
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© 2017 日本大腸肛門病学会

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