日本大腸肛門病学会雑誌
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大腸微小隆起性病変の実体顕微鏡的研究
特に粘膜上皮異常について
江藤 和美西沢 護牧野 哲也古沢 英紀中村 恭一
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1984 年 37 巻 6 号 p. 691-698

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抄録

大腸粘膜を実体顕微鏡にて拡大観察し, 得られた種々の微細異常腺口模様像をその組織型と対比させてゆくうち, 実体顕微鏡では過形成性結節及び化生性ポリープときわめて類似するが, 組織学的には腺管に形態的変化はなく, 上皮表層のみに軽度のジグザグした乱れを呈する病変が数多く存在するのに気付き, これを粘膜上皮異常となずけた.この粘膜上皮異常の本態を解明するため, これと過形成性結節および化生性ポリープとを比較検討した.また実体顕微鏡下の微細異常腺口模様像より腺腫と腺腫以外の隆起性病変との鑑別の可能性を検討した.
粘膜上皮異常, 過形成性結節および化生性ポリープは実体顕微鏡による拡大観察では鑑別が困難であり, これらは同属の病変ではないかと推定した.微細異常腺口模様像より腺腫と腺腫以外の病変は, 一部の例外を除けば可能である.

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