日本大腸肛門病学会雑誌
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DMH投与によるラット大腸癌とその周辺および背景粘膜の病態に関する研究
川村 慶三
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1984 年 37 巻 6 号 p. 714-724

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抄録

生後6週齢のドンリェウラットにDMHを週1回, 15mg/kgずつ30週にわたって投与し, 投与完了後5週以内に屠殺して大腸に発生した隆起性病変およびその周辺粘膜および平坦背景粘膜の病理学的検討を行ったところ, 全例に隆起性病変の発生をみとめた.103個の隆起性病変のうち94個 (91.3%) が invasive cancerであり, そのうち70.2%は高分化型腺癌であった.隆起性病変周辺および平坦背景粘膜では100個の無作為に抽出したブロックの切片のうちに, 85病巣の異型腺管巣をみとめた.DMH投与ラットの隆起性病変の周辺および平坦背景粘膜にみられる正常腺管巣では, 細胞核DNA量の最頻値, 分散幅, 平均値は対照群と差がないが, over 3cおよび over 4cの出現率が対照群に比して大きく, 腺管の中間層, 表層にも over3c, ovev 4cの出現をみることが特徴的であった.

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