日本大腸肛門病学会雑誌
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潰瘍性大腸炎手術後に多発性無菌性皮下膿瘍と膝関節炎を合併した1症例
山崎 安信杉田 昭川本 勝諏訪 寛福島 恒男竹村 浩土屋 周二
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1985 年 38 巻 4 号 p. 376-379

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抄録

潰瘍性大腸炎のため結腸全摘出を行った2年後に,多発する無菌性皮下膿瘍と膝関節炎を合併した症例を経験したので報告する.
症例は,19歳女性で,昭和54年より全大腸炎型の潰瘍性大腸炎で治療していたが,重症発作のため,昭和55年8,月に結腸全摘兼回腸直腸吻合術を行った。昭和57年12月に多発する皮下膿瘍を呈したが,細菌学的検査では陰性であった.昭和58年1月に左膝関節炎を合併した.皮膚症状と関節炎は軽快し以後昭和59年12月まで,皮膚および関節炎症状は認められない.潰瘍性大腸炎には腸管外の皮膚,関節,肝臓などに合併症を認めることが知られているが,結腸全摘術後に多発する無菌性皮下膿瘍を呈した症例の報告は本邦ではなく,稀な症例と思われた.

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