日本大腸肛門病学会雑誌
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大腸絨毛腫瘍における表面形態観察
その発育,発生に関する研究
宮崎 茂夫馬場 正三野垣 茂吉
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1988 年 41 巻 7 号 p. 950-958

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抄録

38症例50病変のvillous tumorを検討した.まず,その発育,発生について検討するため拡大内視鏡と実体顕微鏡にて表面形態を観察し,組織学的に癌の有無とその局在を検討した.次に本腫瘍の発生増殖を細胞動態的に研究する目的でEx. vivo autoradiogramを用いてS期細胞を標識し,その分布を観察し次の結果を得た(1)本腫瘍では,S期細胞の均一な分布が観察された.(2)このことより,上方,側方への進展傾向が強いことが示唆された.(3)本腫瘍は腺管腺腫よりも標識率が高く,癌よりも標識率は低かった.(4)Ex. vivo autoradiogramの結果からもmalignant potential特にmulti-focalな発癌の可能性が考えられた、この場合,深部に発生したfocal cancerの表層からの観察は困難であった.

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