日本大腸肛門病学会雑誌
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大腸アニサキス症の1例
石賀 信史岩本 伸二庄 達夫石原 清宏酒井 邦彦岩藤 真治山本 泰久
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1990 年 43 巻 1 号 p. 108-112

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抄録
大腸内視鏡で虫体を確認した大腸アニサキス症の1例を経験したので報告する.患者は48歳男性, 1988年11月13日夕食時にサバ寿司を食したが, その2日後より右下腹部痛を訴えて来院した。右下腹部に強い圧痛と筋性防御を認めるが腹部腫瘤は触知しなかった.血液検査では9800/mm3と白血球数の増加を認めたが好酸球数は正常範囲内であった.腹部超音波検査で盲腸から上行結腸にかけての粘膜下層の著明な浮腫を認めた.以上より大腸アニサキス症がもっとも疑われ大腸内視鏡を施行した.大腸内視鏡では発赤, 浮腫著明な上行結腸粘膜に刺入したアニサキス虫体を確認し, 鉗子にてこれを摘出した.その後症状は速やかに改善し5日後に軽快退院の運びとなった.
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