日本大腸肛門病学会雑誌
Online ISSN : 1882-9619
Print ISSN : 0047-1801
ISSN-L : 0047-1801
経口腸管洗浄液による注腸二重造影検査の新しい前処置法
宮崎 要
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 43 巻 3 号 p. 301-315

詳細
抄録

注腸二重造影検査の新しい前処置法を開発する日的で外来患者600例を対象として臨床研究を行った.まずPEG-ELS (Golytely), 各種下剤, 低残渣食を組み合わせた14の方法を設定し, そのうち最も優れた前処置法を決定した.ついで同方法と従来の Brown 変法とを無作為化臨床試験を用いて比較検討した.結果 : 1) 14の方法のうち PEG-ELS 3000ml, ラキソベロン10ml, ボンコロン食を組み合わせた GLB 法が最も優れていた.2) 無作為化臨床試験では GLB 法が Brown 変法より優れた前処置効果を認めた (p<0.001).3) 大腸の部位別では, GLB 法は下行結腸 (P<0.01), S状結腸直腸 (P<0.001) において Brown 変法より優れていた.4) とくに腸管洗浄効果 (P<0.01), 総合診断能力 (P<0.05) において, GLB 法が Brown 変法より優れており, mucosal coating においては同等であった.以上より GLB 法は注腸二重造影検査の優れた前処置法であると考えられた.

著者関連情報
© 日本大腸肛門病学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 改変禁止 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top