1990 年 43 巻 4 号 p. 606-612
便秘はいろいろの原因, 機序が複合しておこり, 器質的, 機能的なものとに大別できる.器質的なものには典型的な症状がみられるので診断は容易であるが, 機能的なものは診断は難しい.著者らは排便困難や肛門疾患のない対照群22例と, 排便困難を主訴とする患者群73例にdefecographyを行った.患者群ではpefineal descent 43, rectocele 33, 直腸重積 14, spastic lavator syndrome 5, 直腸脱 2, がみられたが, 14例には特別な変化はみられなかった.また両群で肛門直腸角 (ARA) とresting (ARA1), squeezing (ARA2), straining (ARA3) のそれぞれで比較した結果, rectoceleとSpastic levator syndromeでは (ARA3-ARA1) は対照群にくらべ, 有意に減少をみせた.