日本大腸肛門病学会雑誌
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赤外線凝固:痔核の新しい外来治療法
小金沢 滋
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1992 年 45 巻 4 号 p. 444-455

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抄録

痔核の新らしい外来治療法としての赤外線凝固を評価するため,内痔核1711例を対象に,4週~7.5年間追跡調査が行われた.結果:(1)本法による効果は,軽症の痔核ほど重症度順に有意にすぐれ(p<0.01),かつ1度痔核はもつとも症状消失の期間が長い傾向をもっている.(2)III度痔核でも症状消失率が9%えられた.(3)症状別効果:出血,掻痒感,肛門痛,湿潤,下着汚染の順に高い症状消失率(84~70%)がえられ,それらの再発率は脱肛(78%)を除き,72~62%であった.(4)注射硬化療法に比べて,本法は脱肛のみにおいて劣っていた(p<0.01).5)副作用:局所疼痛では,一般患者の有痛度は37%で,妊・産・褥婦の59%に比べて,有意に低かった(p<0.01).

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