日本大腸肛門病学会雑誌
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排便習慣に影響する因子の検討
年齢・性・大腸の形態との関連性
貞広 荘太郎大村 敏郎山田 良成斉藤 敏明瀧 康紀
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1993 年 46 巻 2 号 p. 111-115

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抄録

排便習慣に影響を与える因子を検索するため,注腸検査を受けた920例を対象として,年齢,・性別,大腸全体の長さ,表面積,S状結腸の形成するループ数と排便回数,下剤使用の有無との関係を分析した.男性の67.8%,女性の53.6%では排便回数は1日1~2回であり,男性の77.6%,女性の71.9%では排便回数は1日に1~2回あるいは2~3日間に1回であった.男性では年齢が高くなると排便回数が減少し下剤の使用頻度が増加するが,女性では年齢と排便回数,下剤の使用頻度との問に関連性はみられなかった.男女いずれにおいても,注腸写真を用いて測定・算出した大腸全体の長さおよび表面積が大きい程,排便回数は少なくなり下剤の使用頻度は高率であり,大腸全体の長さ,表面積と排便習慣との間には密接な関連性が認められた.S状結腸の形成するループ数と排便回数との間には関連性はみられなかった.

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