日本大腸肛門病学会雑誌
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Clostridium difficile感染例における大腸の偽膜性病変
剖検例でのprospectiveな病理・細菌学的検討
望月 眞小池 盛雄佐久 一枝
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1994 年 47 巻 4 号 p. 308-314

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抄録

45の剖検例において,prospectiveに,Clostridium difficileの細菌的・形態的な検討を行った.17例(37.8%)のS状結腸内容から,C.difficileが検出された.死亡直前に水様便が認められたのは17例中3例.17例中10例の大腸に,抗生物質投与後の偽膜性腸炎といわれてきたものと同じ特徴的な「偽膜性病変」が認められた.C.difficile陰性の症例では「偽膜性病変」は認めなかった.「偽膜性病変」の他に,サイトメガロウィルス感染や真菌感染など,他の病変を伴うこともあった.大腸に全く病変がないものが17例中4例あった.今回のこのようなデータは,本邦では今までなく,C.difficile腸炎について興味ある知見が得られた.

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