日本大腸肛門病学会雑誌
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ヘリカルCTによる大腸癌リンパ節転移診断
小川 真平板橋 道朗亀岡 信悟
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2000 年 53 巻 1 号 p. 35-43

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抄録
ヘリカルCTの特徴を活かした新たな大腸癌リンパ節転移診断法を考案し,その有用性について検討した.ヘリカルCTの1mm横断像およびMPR画像は,従来法に比べて存在診断能が優れており,51例を対象にした正診率は,腸管傍リンパ節86.3%,中間リンパ節82.2%であった.リンパ節の造影効果の検討から,造影剤注入40秒後に辺縁のみ造影されるリンパ節,まだら状に造影されるリンパ節,40秒後,120秒後いずれでも造影効果を認めないリンパ節が転移陽性と考えられ,造影所見から考案した質的診断による,28例の正診率は,腸管傍リンパ節96.4%,中間リンパ節94.7%と,従来法に比べて極めて高い正診率であった.ヘリカルCTによる大腸癌リンパ節転移診断法では,1mm横断像およびMPR画像によって,存在診断能の向上が図られ,さらに質的診断の要素を加えることによって,ほぼ正確な診断が可能であり,極めて有用な診断法と思われた.
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